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筆者が興味を持った事を無差別に紹介していこうと思います。

弱電系エンジニアという職業

さて、しばらーく時間が経ちましたがブログを始めて3つ目の記事になります。

とりあえずしばらくはテキストのみでお送りしてみようかという試みをしているわけですが、なかなか難しいもんですね。

もう少し上手い文章を書けるようになりたいです。

まぁ、そういう筆者の造詣の問題もありまして、まずは身近なところから攻めて行こうかと思います。

今日は私が生業としている"弱電系"技術者としての雰囲気をやんわりお伝えしてみようと思う次第であります。

技術者ってどんな仕事?


まず技術者とは何ぞやというところから僕自身の所見を申し上げますと、同類であってやや異なる種族の"研究者"という分類が良い対比として挙げられるにではないかと思います。

技術者も研究者も科学に基づいた知見に基づいて成果を挙げるという事は変わりないのですが、違いはその成果の種類にあると僕は考えています。

研究者としての成果は僕からすると非常にハードルが高いものでして、基本的に『世界初』もしくは『世界最高』のパフォーマンスを求められます。

研究者としての仕事の成果は発表した論文がどの程度世界に影響をおよぼしたかによって測られるもので、いわゆる最先端の研究成果が問われます。

イメージとしては『今までに無いもの』に種を植えるような形の仕事になるかと思います。

一方で技術者はどういうどういう仕事かと問われた場合、研究で培われた成果を受けて世に出す役割を担っているのではないかと僕は思っています。

いわゆる"研究"で発見/発明されて発表されるものは往々に限られた条件で成り立つ最高の成果(トップデータ)を論文にしたためているケースが多いので、実際の世の中に普及させるためにはもう少し手を加えて"いつでも、どこでも"使えるような技術として安定化させる必要が出てきます。

技術者としての成果の指標は特許と製品化の実績です。

特許は新たな技術を公開する代わりに一定期間は独占的に使わせてもらえるというものでで、技術者にとっては大変大事な成果の一つです。

また、アイディア→試作→実験/試験→製品化という過程でも想像以上に考えなければいけないことは多いです。
仮定した周囲条件で安定して機能を果たすかどうか? 長い間使っても壊れないか? バグは無いか? などなど、製品によっても項目も厳しさも変わってきます。

往々にして研究者も特許を書いたりしますし、技術者も論文を書いたりもするので、職種の振り分けとしてはどちらに主眼を置いているかの違いだったりもします。

弱電系って何?


最近の多くの記事ではただ"技術者(エンジニア)"と書くとIT系のプログラミングをしている人を指している事が多いように思えます。
皆さん真っ先に思い浮かべるのはIT系の技術者なのではないでしょうか。

世の中一言に技術者と言ってもIT系、電気系、化学系、生物学/農学系、金融系など様々ありまして、人数配分から言うと確かにIT(情報)系の技術者が多いのは僕の肌感覚としてもあまり遠くないように思えます。

電気系には、発送電やインフラを担う強電系と家電やエレクトロニクスを担う弱電系があり、私が専門として仕事をさせていただいている分野は電気系の中でも弱電系と呼ばれる分野です。コンシューマーエレクトロニクスとも呼ばれます。

弱電系の技術者は、電磁気学、制御工学、物性工学、情報工学解析学統計学あたりをおおよそ理解している事が求められるシーンが多い気がしています。学生の頃に一通り授業で習ったわけですが、なかなか実際に使うシーンに出会わないとその大事さが分からないものですね。最近になって教科書を読み直し、新たな参考書を買い、論文を読んで造詣を深める努力をしようとあらためて思うようになりました。

業界としても競争が激しい商品を多く扱っている分野なので、新しい分野を切り開かない限りコモディティ化との闘いになります。最近では成長市場であったスマートフォンの性能もユーザーが十分満足できるようになってきたので、製品に製品としての新陳代謝も性能改善だけでは成り立たないようになってきました。

これから求められるのは一般の消費者の目に見えない縁の下の力持ち的な技術か、新たなUX(User Experience)を支える技術の二択になってきていて、一部の市場強者を除いて縮小市場になっているように思えます。

ただ、いわゆるIT系の発展を下支えしている仕事でもあるので"優秀であれば"生き残れるであろう仕事でもあります。

生き残りを賭けた戦いにおいては第2専門の存在は欠かせないと思っていて、深い専門と広くて浅い知識を持ったT字人材で満足せず、深い専門を2つ以上持ったπ型人材である必要がある気がしています。

なかなか理解されがたい職業ではありますが、知的欲求を満たす環境と仲間に恵まれているので続いているのだと思います。それなりにハードワークですw

さて、眠くなってきたので本日はここまで。